「仕事ができる」とか「優秀な人」と評価するなら、未来の粗利を作ったり、労働生産性向上のための先行投資的な仕事をするという、普通の人にはなかなかできないクリエイティブな仕事をする人であると考えており、それにはどうやっても残業が発生するのだ。
自分は外資系企業で東大卒、海外MBAホルダーなどのビジネスマンとも働いた経験があるが、彼らは単に目の前の流れ作業を捌くのではなく、ずっと改善を続けていた。とびきり優秀な人でも残業は発生するのだ。また、彼らの特徴は仕事がものすごく効率的で正確というだけでなく、体力も総じて高かった。毎日夜中過ぎまで残業をするのに、翌朝誰よりも早く出社して仕事をしていたりする。
一方で、同じフロア内でも流れ作業のような定型的な仕事を捌く業務をやっている人は毎日残業せず帰っていった。この両者を見て「残業をする人は無能」などとは到底思えない。なぜなら仮に仕事を入れ替えたら結果は変わるからだ。優秀なビジネスマンに流れ作業を与えたら、彼らは残業無しで帰るだろうし、その逆に流れ作業者が業務効率改善の仕事をすればどれだけ残業をしても仕事を終えることができないだろう。
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昨今、日本における労働環境は劇的に改善している。残業時間が厳しく制限されており、先進諸国の中で最も休日日数が多い。それがダメだとは言わないが、考えなしにとにかく残業を敵視するような価値観は正しいとは思わないのだ。
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