麦芽の分別から粉砕、発酵、蒸留に至るまで順を追って丁寧に説明を頂きました。静岡ではこれまで大麦の生産はほとんどされていませんでしたが、ガイアフローができたことで農家と提携を結び、地元産の大麦の生産もしていただけるようになったそうです。今は外国産が多いですがいつか静岡産の大麦で作られたウィスキーが飲める日を楽しみにしています。

発酵場に並べられた樽たちは静岡産の杉でつくられたもの。

ただいま乳酸菌がおいしいウィスキーを作っています。

発酵場ではいままさに乳酸菌が麦汁を発行させている様子をのぞかせてくれます。ヨーグルトのような発行した匂いもリアルに嗅ぐことができます。他のウィスキー工場でこんな間近で樽をのぞかせてもらったことはありません。小規模だからこそなせる業でしょう。

発酵槽は静岡産の杉を使っていると書きましたが、オレゴンパインも使っています。何度も使っているうちに槽につく酵母菌や乳酸菌の量は差がつくそうでそれが味の違いにも結び付きます。まだガイアフローはできたばかりの会社でこれから年を追うごとに味の変化も見られるそうで、その変化具合も楽しみなところです。

洗浄中の水を張った樽が水鏡となってオクシズの山々を美しく映していました。

麦芽を粉砕するモルトミルの機械はメルシャンの軽井沢蒸留所が閉鎖されるときにオークションで落札したものだそう。同工場のウィスキーは工場閉鎖後に海外から高い評価を受けることとなり、それを譲り受けたガイアフローにも今海外から熱い視線が注がれているそうです。ちなみにガイアフローはのちに出てくるポットスティルも一つ譲り受けています。

蒸留エリアに来ました。ガイアフローでは4基のポットスティルのうちメルシャンから受け入れたポットスティルでは蒸気による間接過熱を行っていますが、それ以外では薪による直火での蒸留を行っています。200年前と変わらない製法で社長が余市の石炭による加熱や、スコットランドで見た伝統的な製法を見て自らも取り入れることを決断したそうです。

薪は静岡産で間伐材を使用。