東大法学部出身は経済学を知らない
――そのあたりは、専門家の世界での議論はされていないのでしょうか。
森永氏 ないです。というか、そういう話をすれば、たちまち干されます。
――森永さんも、その恐れはありますか。
森永氏 あります。私は小泉内閣のときまでは、いくつもの政府の審議会の委員を務めていたんですが、ある時期から全部クビになりました。任期が更新されずに次々と消えていく。そして次からは選ばれない。
――政策の方向性に忠実な人を委員会の専門家に呼んでくるのは、今も変わらないのでしょうか。
森永氏 財政制度等審議会なんて、もう信者ばっかり。というか、ザイム真理教の“教団幹部”に近い人たちを集めているんです。財務省は、ケタ違いに悪質。どこへでも洗脳しにきますからね。一方的に説明されたら、確実に信者になってしまいます。
森永氏 政治家にしても、ちゃんと経済を勉強していない人ほど簡単に“落ち”ます。反論できる人は、ほとんどいません。財務省出身の政治家も少なくありませんが、財務省が一番経済学を勉強していない。なぜなら、東大法学部が支配しているので。法学部出身者は、経済学をちゃんと勉強していないんです。あと、もっとも潤沢な天下り先を持っているのが財務省なんです。
――天下りの撲滅は、小泉内閣の頃から言われていましたが。
森永氏 世間は誤解しているようですが、これまで天下りが禁止されたことは一度もないんです。天下りの斡旋が禁止されただけです。ですから、退官後も転々と天下り先を渡り歩いて、数年ごとに数千万円の退職金がもらえるうえ、個室と秘書、専用車、交際費、海外旅行が漏れなく付いてくるという待遇です。これは、やめられないですよ。