地方公務員のやりがい
地方公務員の志願者数が低迷している背景のひとつに、災害対応のような例を別とすれば、いまひとつ仕事が見えにくいことも挙げられよう。傍目には「お役所仕事=ルーティンワーク」というイメージがあるかもしれないが、地域課題は変動的で、多くの地方公務員は使命感をもって課題に向き合い、住民の生活向上に励んでいる。地方公務員の仕事は何にやりがいを見出せるのだろうか。実体験を持つ中野氏はこう語る。
「私が学生に伝えるのは地域活性化などです。今は公務員が机の上で判子を押している時代ではなく、地域おこしでは公務員が中心になって、いろいろな人に働きかけて仕組みをつくっていく。そして地域が動いていく実感を持てる楽しい仕事で、ある政策をつくれば救われる住民もいるし、元気になれる住民もいて、公務員というのは多くの人に喜んでもらえる職業だと話している。社会問題に関心の高い学生にとっては良い就職先だと思う」
社会問題に関心の高い学生は処遇よりも仕事本位で職場を選ぶ傾向が強いが、この傾向は学生全般に広がりつつあるという。学業成績の優れた学生でも一流企業や中央省庁を選ばず、ベンチャー企業に就職したり、起業したりすることが珍しくなくなった。その意味で、地方公務員の仕事をもっとリアルにPRすることが求められるが、もうひとつ、中野氏はキーワードに「成長」を挙げる。
「民間企業は入社すればどんな能力が身について、どんな成長ができるかを説明するが、公務員の場合は、身分保障があるので黙っていても就職してくれるだろうと胡坐をかいている傾向がある」
時折メディアで話題になるような地方のスーパー公務員がロールモデルとして相次いでクローズアップされれば、地方公務員は「成長できる職業」と認識されるのではないだろうか。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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