「面白い」の対義語に、「面黒い」という言葉がある
何かに対して興味があったり、笑えたりすることを「面白い」と表現しますが、それとは逆に「面黒い」なんて言葉が存在するんじゃないか、と思った人もいるのではないでしょうか?実はこの「面黒い」という言葉、実際に存在しました。
「面黒い」という言葉が誕生したのは江戸時代のこと。当時はすでに「面白い」という表現はありました。しかしそれじゃつまらないという江戸の人の遊び心から、「面白い」の「白」をもじって「黒」を使った「面黒い」という言葉を使うようになり、一般にも浸透していったそうです。
この「面黒い」、実は正反対の2つの意味で使われていたそうです。ひとつは「面白い」と同じ、笑えたりするという意味です。「面白い」のしゃれた言い方としてよく使われていました。もうひとつは「面白い」と反対の、つまらないという意味です。これは主に俳句や川柳の世界でよく用いられた表現で、単純に「白」の反対は「黒」であるから、意味も反対であるという考えで使われていたそうです。
しかし、使われていたのは一時的だったようで、すぐに廃れていきました。「面黒い」という言葉は今で言う流行語のようなものだったというわけです。
文字にすると500文字以上のタイトルの歌がある
2010年にヴィジュアル系バンド、レムが発表した曲のタイトルに驚くべきものがあります。
それは『拝啓、大好きなキミへ。誰かに手紙というものを書くのは初めてです。最初で最後の手紙を書きます。キミは覚えていないだろうけど、初めて会った時のこと。涙を見せながら必死に笑顔を作るキミは、どこか寂しくて、奇麗で、僕が生きてきたこの世界のものとは思えないほど繊細でした。それは温かい陽射しのような、優しい春風のような、雨上がりに架かる虹のようで。僕の生きる真っ暗な世界に温もりと色をくれた。キミに触れた時、僕は初めて生きていることを感じることができた。だけど。いつしか僕らは大人になり、キミとの日々はいつからか日常になった。押し殺したはずの真っ黒な渦が世界を飲み込んでいく。苦しくて苦しくて、痛くて辛くて。キミとの思い出が、キミとの日々が色を失っていくのがただ怖かった。だから。僕は僕を終わらせる。温もりが冷めないうちに。色を失わないうちに。キミはきっと勝手だと僕を罵るだろう。でも誰かのために生きるなんて奇麗事、僕には似合わない。僕が色を失わないうちに、温もりを抱いて逝きたい。生きたいキミと、逝きたい僕。幸せの守り方は一つじゃない。考え方が違うだけ。大好きなキミへ。キミを守れなくてごめん。僕に光をくれてありがとう。先立つ僕を許して。敬具』という、全部で517文字からなるもので、日本で発表されている曲の中でもっとも長いタイトルだそうです。
ただ、この曲、ライブ会場限定で配布された音源であり、レムも解散しているため、現在聞くことは難しいようです。