吉田茂は、飼っていた犬にアメリカの都市の名前をつけていた

戦後の日本を復興させた立役者の一人であるかつての総理大臣・吉田茂。彼は愛犬家としての一面も知られ、「ワンマン宰相」ならぬ「ワンワン宰相」というニックネームもつけられていました。多いときには10匹以上の愛犬を飼っていたこともあったそうです。

そんな彼が飼っていた犬の中には変わった名前がつけられたものがいます。1951年、サンフランシスコ講和条約の日本側の首席全権としてアメリカを訪れた吉田茂は、条約調印後、その記念として現地でケアンテリアという品種の犬をオス、メス2匹購入して帰国しました。そして吉田はその2匹の犬に「サン」と「フラン」、その2匹の間に生まれた最初の子犬に「シスコ」という名前をつけました。3匹合わせて「サンフランシスコ」というわけです。

そんな吉田が飼っていた多くの犬のうち4匹のお墓は、神奈川県立大磯城山公園の旧吉田茂邸地区内で見ることができます。このお墓のうちのひとつは「サンフランシスコ」からつけたうちの1匹、サンのものです。もし大磯を訪れることがあれば、お参りしてあげてはいかがでしょうか。

アメリカ、ミズーリ州のニックネームは「証拠を見せろの州」

アメリカにある50の州にはそれぞれニックネームがつけられています。たとえばニューヨーク州は、ビルの名前の由来となった「エンパイア・ステート」、カリフォルニア州はゴールドラッシュが起こったことから「ゴールデン・ステート」です。そんな中、アメリカ中西部に位置するミズーリ州のニックネームは一風変わっています。その名も「ショウミー・ステート」、日本語に訳すと「証拠を見せろの州」です。

なぜこんなニックネームがつけられたかというと、19世紀末頃に行われた海軍のパーティーで、ある国会議員が話の途中で疑問に思うたびに「証拠を見せてくれないと信じられない」と相手に向かって叫んでいたそうです。その国会議員がミズーリ州出身であったことから、次第にミズーリ州出身の人は疑り深い性格で、何かあるたびに「証拠を見せろ」と言ってくるという話が伝わっていき、「証拠を見せろ」という言葉がミズーリ州を指すスラングとなり、結果それがニックネームとなったというわけです。

ちなみに辞書には「フロム・ミズーリ」という慣用句が掲載されていて、「疑り深い」という意味があると書かれています。一人の国会議員のおかげでミズーリ州に悪いイメージがついてしまうだなんて、いい迷惑でしかありませんね。