江戸時代、黒猫を飼うブームがあった
「黒猫が横切ると不吉なことが起こる」と、黒猫はこれまで縁起が悪い生き物の象徴として考えられていました。これは欧米で黒猫は魔女の遣いであるという迷信が日本にも広まったからだと考えられています。しかし明治時代以前の日本では黒猫は非常に縁起がいい生き物と考えられていました。そのため、多くの人が黒猫を飼っていたそうです。
当時の日本人は、黒猫は暗闇の中でも目が見える、という理由で、魔除けや幸運、商売繁盛の象徴とされていました。また江戸時代に入ると黒猫は恋煩いに効果がある、近くにいると結核が治るという迷信も広がり、庶民はこぞって黒猫を飼うようになりました。
しかし明治に入り、西洋文化が導入されることにより、黒猫は縁起が悪いという迷信も聞かれるようになったことから、黒猫ブームは終わってしまいました。
ただし、そこまで黒猫が不吉であると考えている日本人は多くなかったようで、明治の文豪・夏目漱石の小説『吾輩は猫である』のモデルとなった猫も黒猫だったそうです。漱石はこの作品により作家デビューしたことから、福を呼ぶ猫ということで、この黒猫をかわいがったというエピソードもあります。
生パイナップルを使ったゼリーは、作ることができない
家でフルーツを入れたゼリーを作ったことがある人はいるでしょうか?リンゴやミカン、ブドウなど、さまざまなフルーツを入れて手作りしたカラフルなゼリーは、美味しさも格別でしょう。しかし中には、パイナップルのゼリーを作ろうとして失敗した人もいるのではないでしょうか。実は生のパイナップルを使ったゼリーは作ることができないのです。
ゼリーがなぜ固まるかというと、ゼリーに使われるゼラチンの効力によるもので、ゼラチンの原料であるタンパク質、コラーゲンが冷やされることで固まります。ところがこのタンパク質を溶かす成分が生のパイナップルに含まれています。それがブロメラインという物質で、よく酢豚にパイナップルを入れると豚肉が軟らかくなると言いますが、これはこのブロメラインが豚肉のタンパク質を溶かすからです。豚肉と同様にゼラチンのタンパク質もブロメラインの作用により溶かしてしまうため、ゼリーが固まらないというわけです。
ただ、このブロメラインは熱に弱いため、一度パイナップルを熱湯につけてしまえば、ゼリーを作ることができます。また缶詰のパイナップルも一度熱処理されているため、問題なく使うことができます。