大阪の「阪」の字が現在の字になったのは、縁起が悪かったから

西の大都市・大阪。江戸時代、この「阪」という字は、登り坂、下り坂といったときに使われる「坂」が使われていました。しかし、現在使われているのはこざとへんの「阪」という字です。なぜ、このような一目では読み方がわかりにくい字へと変わったのでしょうか。

(土へんの坂の)「大坂」と表記されていたのは江戸時代以前のことでした。実際に大阪の地形は、東が高く西が低い、坂が多いものでした。そのことから土へんの「坂」という字が使われていました。しかし、幕末の頃に活躍した浜松歌国(はままつ・うたくに)という狂言の作家が、土へんの「坂」は分解すると土に反(かえ)るとなる。これは人が亡くなることを意味し非常に縁起が悪い、代わりにこざとへんの「阪」という字を使うべきだと提唱しました。そのことからか、元号が明治に代わる直前に「大阪府」が初めて設置されましたが、その字にはこざとへんの「阪」が使われるようになったそうです。

ただ、しばらくはこざとへんの「阪」と土へんの「坂」の字が併用される時期は続き、最終的に現在の「大阪」の表記に統一されたのは明治20年頃だったそうです。

まったく同じデザインの国旗を使っている2つの国がある

日本は日の丸、アメリカは星条旗、イギリスはユニオンジャックと、世界の国旗はその国を象徴し、イメージしやすいものとなっています。しかし中には似たデザインのものも多く、なかなか国と国旗のイメージがつながりにくいところもあります。その最たるものがインドネシアとモナコの国旗で、これら2つの国の国旗は、上半分が赤、下半分が白とまったく同じデザインのものが使われています。

厳密には縦と横の長さの比率がインドネシアが2対3、モナコが4対5となるため、まったく同じというわけではありませんが、たとえ見慣れた人でも見分けるのは難しいでしょう。国旗として制定されたのはモナコが1881年、インドネシアが1945年とモナコのほうが早く、モナコがインドネシアに対してデザインを変更するように抗議したことがあったそうですが、この旗の原型となるものは1293年に誕生したということで、その抗議を突っぱねています。

ちなみにポーランドの国旗は上半分が白、下半分が赤という逆のデザインで、これもまたまぎらわしいものとなっています。オリンピックなどのイベントでこれらの旗を掲揚するとき、取り違えが起こりそうで怖いですね。