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日本的な意味での「RV」の原点~1960年代までの間にさかのぼる
後の世でいう「RV」がむしろ一般的だった、昔の日本
日本的な意味での「RV」の原点~1960年代までの間にさかのぼる
今でも時々、「RVフェア」など販売店のチラシで目にする「RV」という用語、若い読者の中にはよくわからなかったり、記憶している読者の中にも正確に把握できていない人もいるのでは?
Recreational Vehicle(レクリエーショナル・ビークル)、略してRVとは外来語ではあるものの、日本ではセダンやクーペ、コンパクトな2BOX車など、旧来の車種に対する「新世代車」全般がRVと総称されていたものの、SUVの躍進でRV=SUVという誤解もよく見られます。
今回は何回かのシリーズに分け、「RVとは何だったのかを紹介していきましょう。
まずはRVというジャンルが出現する以前、1960年代までに存在した「後の世ならRVと呼ばれたであろうクルマ」から。
後の世でいう「RV」がむしろ一般的だった、昔の日本
RVとはそもそも、「昔なら仕事グルマとされてきたようなクルマを、カッコよく乗る」というのが根底にあり、よく誤解されるタフなクロカン(クロスカントリー)オフローダーや、そのカタチをした乗用車であるクロスオーバーSUV=RVというわけではありません。
実際はクロカン含むSUV全般のほか、ミニバン、ステーションワゴン、トールワゴン(より背の高いスーパーハイトワゴン含む)、ピックアップトラックと何でもあり。
逆に言うと、1991年までのバブル時代に「マイカーの定番」だったセダン、「スポーツカーの定番」だったクーペ、「パーソナルカーの定番」だったコンパクトな2BOX車(ハッチバック車含む)以外の新世代車は、全て「RV」に定義されたと言ってよいでしょう。
ではなぜそれら新世代車が売れたかと言えば、1990年代から爆発的に拡大してむしろ常識とかった「かつての非常識」、仕事兼用で貧乏くさいイメージのあったクルマたちだって、カッコよく乗ることができるじゃないか…という価値観の逆転と多様化。
さらに、国産車の高性能化によって、旧来の乗用車より大きく重くなりがちだった仕事グルマにも十分な動力性能が与えられ、何も目を三角にしてスポーツ走行をするのでもなければ、十分に「楽しいクルマ」となりえたわけです。
つまり、動力性能さえ別にすれば「RVの原型」たりえる仕事クルマは昔から日本に数多くあった…否、マイカー所有が当たり前となる以前なら、むしろ仕事グルマのほうが、自動車としては当たり前でした。