ズバリこれは私が使っていた回答なのですが、「若いのにしっかりとした考え方を持っている」といっていただけることが多く、結果として自宅兼事務所であることを褒められることが多かったように思います。ポイントは、経営者として無駄な経費を使いたくないということと「欲しいけど手に入らない」のではなく、あえて「不要である」と堂々とした態度を取ることです。

お客様は自宅兼事務所か独立事務所かの違いを見ているのではなく、あなたが信頼に足りる人かどうかを見ているだけです。あくまで事務所はプラスアルファの要素です。もちろん、最終的に事務所を拡大したいという気持ちがあれば、いつかは事務所を持ちましょう。ただ、最初から自信もないのに無理をする必要はないのです。

来客も少ない創業期に「無理」はしても「見栄」を張る必要はない

特に男性に多いのが、「事務所くらい見栄えがよくなければ」という、どちらかといえば見栄に関する感情です。たしかに立派な事務所を持てればそれに越したことはありませんが、単なる所長の見栄のために事務所の経営が傾いたのでは、働いているスタッフにとってはたまったものではありません。

業務拡大のために少し無理をして事務所を構えよう、というのであれば私も応援できますが、単なる見栄で「事務所くらい持たないと」といってお金がなくなってしまうのではアドバイスもできません。「まずは事務所を引き上げましょう」というのが最初の進言になってしまいます。このように、お金のかけどころは採算が取れるもの、あるいはその必要があるものから進めていきたいものです。

ところで、もし事務所を借りることが現実味を帯びる段階になってきた場合には、まずは具体的に物件を見に行きましょう。そして、正確にかかる金額を調べます。こうすることによって、必要な保証金など独立事務所にかかわる金額がわかります。金額が把握できれば、やるべきことや増やすべき売上がわかってくるので、独立事務所は現実のものになりやすくなります。