【舛添要一『国際政治の表と裏』】ウクライナ侵攻の苦戦。そこにはロシアの諜報機関「FSB」の機能不全も予想される。

ウクライナ侵攻「苦戦」はプーチンの大誤算? 想定される諜報機関の機能不全
(画像=『Sirabee』より 引用)

レニングラード(今はサンクトペテルブルク)で育ったプーチンは、戦前の日本で活躍したソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲに憧れ、KGBへの就職を目指す。猛勉強して、1970年にレニングラード国立大学法学部に入学し、卒業後の1975年に、晴れてKGBに就職する。

■KGBに就職したプーチン

KGBは単なる諜報機関ではなく、国家全体を動かす権力マシーンと言ってもよい。たとえば、ロシアの石油を支配しているのはKGBと言っても過言ではない。したがって、KGBに就職するのは、日本で言うなら東大法学部を出て、財務省に入省するようなものである。

プーチンは、情報収集、スパイ活動、敵の粛清などの「KGBの作法」を身につけ、政治家に転身した後も、それをフルに活用していった。そして、KGB人脈を自由に駆使して統治の実績を上げていったのである。