利下げの流れは世界的流れで2025年も日本を除き、そのトレンドは継続すると思います。また消費が肌感覚として思ったほど力強さがない感じがするので「関税インフレ」になると消費力が更に落ち、国内産業の底支え/再構築という長期的チャレンジの前に目先の経済の不安定さが先に出てきてしまうかもしれません。トランプ氏はビジネスマンであり、マネーの匂いをかぎ分ける能力は非常に高いと思いますが、この1-2年の経済現象はかつて教科書で習ったような単純な事態ではありません。トランプ氏はパウエル氏と上手に協調して経済運営を図るほうが得策になると考えています。
大丈夫か、日産自動車内田誠氏が日産の社長に4年ほど前に就任した時、私は「違う!」と申し上げました。それでも内田氏が選ばれたのは当時はまだルノーとの悶着があり、日産の屋台骨がぐらついていたからです。同志社大学神学部出の内田氏の役目はルノーとの問題解決、及び日産の企業安定化が命題でした。それは無事やったのです。なので次はカリスマ性があり、車の顔になる方が社長になるべきなのです。春ごろに社長交代が発表されてもおかしくないとみています。
自動車業界は大げさに言うなら「未曽有の危機」の入り口にあるとみています。日本国内市場は日系企業に守られており「この状態がずっと続くのだ」という妙な期待感が強いのです。ところが世界ベースで見れば明らかにいろいろな風が吹いています。最後にどの風が市場を押さえるのかわかりませんが、一つ言えることは今の開発思想が既存車の範疇を超えてくるなか、どうみてもEVは廃れず、AIを含むテクノロジーの塊になりそうな点です。先日VWが危機的状況だと申し上げました。その後、発表されたBMWの決算もボロボロ、トヨタ、ホンダ、ステランティスもさえません。一方、低価格EVの波がいよいよ全世界に押し寄せる見込みでクルマの常識観は崩壊、新デファクトスタンダードが生まれる勢いです。