ユナイテッドの立て直しの大きなトピックの一つは得点力の改善であることは疑いようがない。ここまで、リーグ戦9ゴールのユナイテッドは、サウサンプトン(7)クリスタルパレス(8)に続くリーグ18位の成績だ。得点への影響が少なくない攻撃的なウイングバックの必要性が高まれば、元々ウイングでプレーする選手をウイングバックとして起用することも十分あり得るだろう。実際に、アモリム監督は今シーズン17歳のウイング、FWジオバニー・クエンダをウィングバックとして起用している。
また、前述したように3トップの両翼は内側に入ってのプレーが求められる。フェルナンデスに関しては、右寄りの10番として位置に収まるかもしれないが、従来のウイングの選手はタッチラインを背にしたプレーと比べ、これまでと違う役割を求められることになる。ラッシュフォードやガルナチョ、FWアマド・ディアロがこの位置でプレーに適応できるかどうかも重要なポイントになるはずだ。
プランBの有無
では、もし既存の選手がアモリム監督のスタイルに合わなかったとしたらどうするか。根本的な舵を切るようなプランBがあるのか、それともそれでもスタイルを貫くだけのバリエーションの多彩さが本当にあるのか。
この疑問がユナイテッドにとって重要なのは、根本的なスタイルの欠如を指摘され失意のうちにユナイテッドを去った前エリック・テン・ハグ監督も、就任する前まではオランダリーグを席巻した確かなスタイルと戦術家としての腕を評価された監督だったからである。アモリム監督が実のところ、テン・ハグ監督の再来かもしれないという疑念を完全に払拭するには少し状況が似すぎている。
また、前述のメディア内でベルバトフ氏は、少なくともヨーロッパコンペティション圏内でシーズンを終えることが必要だと話した。シーズンの途中就任というスタイルを落とし込むのが難しい状況ながら、目先の勝ち点をしっかりと積み重ねる事がクラブとしての格を考えると今のユナイテッドには必要になる。そのバランスを保つこともアモリム監督には難しい仕事になるだろう。