一部の社寺では毎年7月になると「四万六千日」が開催されます。
しかし、そもそも「四万六千日」とはどのような行事なのでしょうか。
今回はそんな「四万六千日」について解説します。
併せて「ほおずき市」との関係も説明します。
目次
・「四万六千日」とは
・四万六千日と観世音菩薩
・縁日と功徳日
・なぜ4万6千日分となったの?
・寺社や地域によって異なる「四万六千日」の日
・浅草寺などでは7月10日
・金沢などでは旧暦の7月9日や10日
・ほおずき市が一緒に催される理由
・もともとは愛宕神社の風習だった?
・ほおずき市が始まる前は「赤とうもろこし」が売られていた??
・まとめ
「四万六千日」とは
ここでは「四万六千日」とはどのような行事か解説します。
四万六千日と観世音菩薩
「四万六千日」は別名「ほおずき市」と呼ばれる行事です。
特に東京都台東区の浅草寺の本尊である観世音菩薩の縁日のうち、際立って功徳が得られるとされる功徳日のことを指します。
読み方は「四万六千日」と書いて「しまんろくせんにち」と読みます。
現代では7月10日が「四万六千日」とされ、浅草寺などでは境内に「ほおずき市」が立てられるのが一般的です。
縁日と功徳日
「四万六千日」は観世音菩薩の縁日で最も功徳が得られる功徳日を指します。
縁日では浅草寺が雷除けの護符を配るのがしきたりです。
雷除けの護符は雷だけでなく地震や台風などの自然災害による災いから守ってくれるありがたい守護札の1つです。
ちなみに、功徳日とは「その日参拝すれば平日の参詣以上の功徳があるとされる日」のことを意味します。
それゆえ、最もご利益が得られる功徳日「四万六千日」には数え切れないほどの参拝者が境内を訪れます。
それだけでなく「四万六千日」の日には境内に「ほおずき市」が立てられ、色鮮やかなホオズキが売られるのも特徴です。
なぜ4万6千日分となったの?
「四万六千日」はもともと「千日詣り」と呼ばれていました。
本来この日に参詣すると「1,000日参詣したのと同じ功徳が得られる」と信じられていました。
しかし、1716年~1736年頃からは「4万6,000日参詣したのと同じ功徳がある」とされるようになり「四万六千日」と呼ぶようになったとされています。
なお、なぜ4万6,000日なのかは定かではありません。
ただし、一節には「お米の一升を米粒に換算すると4万6,000粒になる」ことから「一升=一生」とかけたのではと考えられています。
単に「4万6,000日=約126年」となり、人間の寿命の限界であるところから「四万六千日」となったという説もあります。