そもそも中国経済の指標はどれもアテにはならない。実態経済はマイナス成長に陥っている為、輸出に頼る中国は輸出品目もデフレに陥っている。供給過剰な製造業が鈍化することで、中国は国際社会での立場を悪化させているのだ。
アメリカ経済は消費によって回っているので、莫大な輸入品が必要になる。その大消費社会のアメリカを支えてきたのが、中国だ。勿論、今でもそれは変わらない。最近ではやり方が巧妙になり、以前はアメリカの業者が中国から物を仕入れていたが今では華僑がアメリカで法人設立してアメリカ企業に成りすまして中国の製品を大量にアメリカに送り込んでいる。
アメリカの企業で物を買ったはずなのに、商品は中国から直輸入で届く。ところが、バイデン政権もトランプ前政権も、中国の覇権主義に業を煮やし、中国製品への関税をかけており、更に関税額を増すと中国を脅している。
それを恐れて第三国のペーパーカンパニーを経由してアメリカに商品を送ることもやってるようだが、そんなことをしたら、莫大な送料負担が増える可能性があり、中国国内の過剰生産品はアップアップの状態で行き場を失いつつある。
EU諸国は中国との経済的なつながりが強い国が多いが、ロシアのウクライナ侵攻が影響し、ウクライナのNATO入りが協議されている中、ロシアを支援していると言われる中国の製品に対しては、アメリカ主導で経済制裁に近いやり方を検討したりしている。
何より、中国が最も恐れているのが、香港ドルと米ドルのペッグ問題。これは普通に考えればあり得ないことなのだが、もし、中国共産党が台湾に侵攻したり、これ以上太平洋の島嶼国や、最悪は尖閣諸島を奪いに来たら、アメリカは戦わずして勝つ方法として、真っ先に香港ドルと米ドルのペッグを止めるだろう。
そんなバカなことが起きるわけないと言う人もいるだろうが、ロシアがウクライナに侵攻したように、イスラエルがイランを含む周辺国と第6次中東戦争の引き金を引きそうな深刻な事態になったり、今の国際社会は、何が起きるか分からない。
トランプ政権は親中ではない