AIによって人間の「恋愛感情」を誘導する新しい技術が登場

多くの人は、交際相手や結婚相手を自分の意思で決めます。

「この人とは気が合う」と感じたからこそ、一緒にいることを決意するはずです。

しかし近い将来、そんな胸の高鳴りを、「AIが誘導する」時代がくるかもしれません。

最近、イギリスのグラスゴー大学（UofG）心理学部に所属するパブロ・アリアス・サラ氏ら研究チームは、使用者たちが気づかないレベルでリアルタイムに画面上の顔を操作するAI顔フィルターを開発しました。

このAIは、わずかに笑顔の印象が良くなるよう操作し、さらにお互いの笑顔を浮かべるタイミングを同期させることで、オンラインデートで初めて会った2人が互いに惹かれるよう操作できたという。

過去には、お見合いした2人を強引にくっつけようとする仲人のおばちゃんなんかがいましたが、未来ではAIがそれを担うのかもしれません。

しかしこの技術は、将来的にAIが人間の交際や結婚さえ操作する「ディストピアのような世界」を想像させます。

研究の詳細は、2024年10月28日付の学術誌『PNAS』に掲載されました。

人と人のコミュニケーションに介入するAI

交際したり結婚したりする2人は、お互いに「心が惹かれた瞬間」「好きになった瞬間」を覚えているものです。

例えば、お互いに笑顔になった瞬間を、心が通じ合った時だと感じたかもしれません。

誰かに誘導されたわけでも、強制されたわけでもありません。

お互いが「自分でそう思った」のです。

しかし最近では、相手と直接会うだけでなく、ビデオチャットを使ってリモートで会話することが増えました。

そして、それらのアプリの中には、少しでも印象を良くするようにAIを用いた顔フィルターが導入されています。