- 1人あたりの国際比較
続いて、人口1人あたりの実質値について、ドル換算値での国際比較をしてみましょう。
まずは為替レート換算値からです。
図2が現実個別消費(1人あたり)の実質為替レート換算値の推移です。
この数値は、人口1人あたりの現実個別消費について2015年基準の実質化を行い、2015年の為替レートで各年をドル換算したものとなります。
2015年の水準からすると、実質的=数量的にどのような変化となったかを表す指標と言えます。
日本(青)はかなり低い水準で、アメリカやイギリス、カナダと大きく差があるようですが、近年ではイタリアよりは高い水準となっています。
実質値ではイタリアやイギリスがリーマンショック以降かなり変調しているという特徴が見られます。
図3が現実個別消費の実質 為替レート換算値について、2021年の国際比較です。
日本は23,721ドルで、OECD38か国中20位、G7中6位となり、OECD平均値をわずかに下回ります。
順位としては名目値と変わりません。
- 購買力平価換算による比較
続いて、購買力平価換算による実質値の比較をしてみましょう。
図4は現実個別消費の実質 購買力平価換算値の推移です。
この指標は、基準年である2015年の物価で実質化し、更に2015年の購買力平価でドル換算した数値となります。
実質化により時系列的な実質値として、更に購買力平価でドル換算する事による空間的な実質化をしている事になります。
これが本当の意味で「実質値」を表しているのかは議論のあるところかもしれませんが、参考にすべき数値である事は確かだと思います。
日本は主要先進国の中でもやや低めの水準でしたが、近年ではフランスとほぼ同じくらいで推移していて、OECDの平均値を上回ります。
図5が現実個別消費の実質 購買力平価換算値について2021年の国際比較です。
日本は28,492ドルで、OECD38か国中18位、G7中6位となり、OECD平均値26,723ドルを上回ります。
経済指標の国際比較としては、かなり高めの水準となりますね。
政治
2024/11/10
実質的な現実個別消費:1人あたりの国際比較
『アゴラ 言論プラットフォーム』より
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