♪ き~み~が~あ~よ~お~わ~ ♪

「君が代」誕生のいきさつは、すでにウィキペディアに記述があるので、ここでは補完的な説明をしておこう。初代の「君が代」は、イギリス人公使館の軍楽隊長によって作曲された。

ただ作曲者が、あの歌詞をそもそも理解していなかったのか、音節の区切りが不自然で、歌うのも奏でるのも難儀ということで、今度は旧・朝廷の雅楽員で、西洋音楽の基礎を学んだ人物が新たに旋律を作った。これは雅楽における「壱越調」(いちこつりょう)という音律に拠るものだった。

上行:レ ↗ ミ ↗ ソ ↗ ラ ↗ ド ↗ レ

下行:レ ↘ シ ↘ ラ ↘ ソ ↘ ミ ↘ レ

試しに「君が代」をドレミで口ずさんでみてほしい。

♪レ↘ド↗レ↗ミ↗ソ↘ミ↘レ

(き~み~が~あ~よ~お~わ~)

上で紹介した音律の動きに(ほぼ)そって作られているのが体感できる。

そしてドイツ音楽に編曲された

これに伴奏を付けたのが、ドイツからの音楽教師だった。

彼はこの旋律を「ペンタトニック」音階と解したようだ。別称・五音音階。発展途上な民族が共有する音階と、西洋音楽では理論化されていた音階だ。(そのせいか「東洋音階」と呼ばれることが今でも少なくない)

それから上行するときと下行のときで「壱越調」は音の並びが一部変わるのを、「ラ・ド・レ・ミ・ソ」と「ミ・ソ・ラ・シ・レ」の二つの東洋音階の混交、つまり同一音階が異なる調で奏でられる「転調」と理解した。

この点については、著名学者も含めてどの音楽家も見落としているようなので、これより少し解説しておく。

これは「君が代」をコードネーム(楽譜の上側にCとかConFとか並んでいる和音記号)付記したもの。