このままでいくと「持つ者、持たぬ者」とは「北米のマネーが持つ者、日本の会社や個人が持たぬ者」になりかねない危惧がないとは言えません。
私は今、自社の事務所の構築物を工場制作しているところです。たまたま平屋の事務所棟にテナント2軒いるのですが、古くなったので建て替えるにあたり、自社の事務所を2階に作っても賃料のリターンがそれなりにあるし、今払っている事務所の賃料まで含めて計算すると経済計算は成り立つのでそのような投資を決めたのです。この物件は海の上に浮かべるので不動産のような価値は生みません。せいぜい25年ぐらいで実質償却です。それでも持った方が得なのです。
経済観念だけで言えば、自動車でも家でも持った方が得であり、アセットライトは経営数字上、都合がよい話なのだと思います。私の会社では業務用のコピー機すら所有を繰り返してきました。コピーの販売会社が「ここまで長く使われるともう何も言えません」というほど使い倒しています。壊れないのですよ、今の機械は。
アセットライトは都合がよい発想ですが、日本の不動産が上向いて10年近くなる今、そろそろ持つ発想も復活させるのもありだと思うし、持つなら長く持たせるメンテナンスの思想を取り込んだらよろしいかと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年9月23日の記事より転載させていただきました。