私は貸す側のビジネスとして商業施設、事務所、駐車場、レンタカー(売却済み)、マリーナ(船を泊めるところ)から始まり、日本ではシェアハウスや店舗貸しに外国人向けサービスアパートメントや一般賃貸物件。更には戸建て22年リースもやっています。22年後に建物部分だけ廉価で買い取れるオプション付きのリースです。減価償却が22年なのでそれに合わせたのです。最近ではシニア向けグループホームを通じてお年寄りの最後の拠り所という観点からサービスを始めました。
私が個人事業としてここまでできているので当然ながら大手企業をはじめたくさんの方が様々なアセットライトを支援する事業をされているかと思います。
ただ、最近の日本を見ているとあまりにも企業や個人の体力がなくて持たぬ癖がつきすぎたように思えるのです。2023年に大阪の老舗ホテル、リーガロイヤルホテルの不動産をカナダの生保系不動産会社に売却し、リーガロイヤルは運営権だけ残した形で展開しています。朝日新聞が当時「根無し草」になるリスクと記事にしていたようです。
同様の報道を最近見つけました。茨城県の常磐ハワイアンセンターでおなじみの常磐興産がフォートレスのTOBを受け入れることになりました。施設の老朽化に対して見合うだけの資金力がないことからの撤退でした。2022年には長崎のハウステンボスが香港企業に売却されました。それ以外にも企業の本社ビルやホテル、オフィスビルなど次々と外資が購入しています。
一時期、中国や韓国が安全保障上問題がある不動産を買い漁ったことが話題になりましたが、北米を中心とした外資は着々と日本の資産を購入しているのです。
何故日本勢が買えなくて、外国勢が買えるのでしょうか?あくまでも私見ですが、北米企業の不動産に対する意識はお金を絶え間なく投入し、資産価値を向上し続けることに長けているのです。日本の場合、大規模リノベーションをするより新築にするという発想が強いですね。ここが違います。先日の「老朽化不動産の話」の際に論じた100年持つ建物はゼネコンの売り文句ですが、日本人には寺社のようなものを別として100年使うコンセプトがないのです。自分の代で終わり、次の代は作り変える、この思想の違いだと思います。