さらにチームは追加実験として、顔パーツの有無が感情の読み込みに与える影響を調べてみました。
これは以下のように、しめじにヒトの顔のような目と口を与えたものです。
その結果、近づく・離れるなどの動きが加えられた場合には、むしろ顔パーツがない方が感情の読み込みが強くなることが示されています。
今回の研究は、これまで別々に調べられてきた「形状のヒトらしさ」と「動き」の知見を組み合わせた貴重な成果です。
そして感情の読み込みにおける「社会的な動き」の効果は、それぞれの対象物の「形状のヒトらしさ」によって変わることが示されました。
しめじのように元からあまりヒトには見えない物体ほど、動きを獲得することで感情的に見えやすいようです。
チームはこの知見について、シンプルで装飾の少ないキャラクターデザインの開発など、感情豊かに見えるロボットやバーチャルキャラクターの作成に貢献すると考えています。
一見すると、生物にはまったく見えないものの、ユニークな動きを与えることでシンプルなのにイキイキとした新キャラが生み出せるかもしれません。
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参考文献
【研究成果】2体のしめじが近づくと感情豊かにみえる ――外見があまりヒトらしくない対象でも動きが加わると、 見る者は強く”感情”を読み込む――
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/20240813190000.html
元論文
Influence of appearance and motion interaction on emotional state attribution to objects: The example of hugging shimeji mushrooms
https://doi.org/10.1016/j.chb.2024.108383