それほどいうならば、旅客機はジェット機を全廃してターボプロップにすればいいじゃないかと思いますが、そんな話はでてきません。

廃食油を原料とするSAFは致命的な弱点を持つ。需要を満たすには世界中でまったく足りないのだ。

IATAによれば、24年のSAF生産量は前年比3倍に増えるが、燃料全体の0.5%どまりだ。航空燃料をすべて置き換えるには50年に3億トン以上が必要だ。

SAF生産は廃食油や獣脂を使う製法が先行する。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)調査部の中島学氏は「世界の廃食油は3000万~4000万トン。半分をSAF原料に確保できても、30年時点で米欧の規制・目標量の合計である1300万トンをやっと満たせる程度で、廃食油はいずれ足りなくなる」と指摘する。待ち受けるのは争奪戦だ。すでに価格上昇が起きている。

別に全部を廃油由来にする必要はない。それまで費用を掛けて捨てて、なおかつ廃棄に金がかかる廃油を利用できる、という点で満足すべきです。

不足を補うには別の原料をみつける必要がある。トウモロコシやサトウキビなどを原料とするバイオエタノールからSAFをつくったり、非可食性の植物を原料に使い、その耕作地を増やしたりする技術革新を追求するしかない。

これは以前流行ったグリーンエナジーです。穀物メジャーの陰謀です。とうもろこしなどを燃やせば、その増産が必要となり彼らが儲かります。だからアマゾンの森林を伐採してとうもろこしを栽培しようという話もありました。

バイオマス発電も同じです。本来バイオマス発電は、製材所から出る廃材を利用して発電や給湯を行うもので、地産地消の小規模なものです。ですが大規模なものは熱帯林を伐採して多量のアブラを使ってフネやトラックで運搬します。これがエコなわけがないでしょう。

これまたサトウキビの絞りカスなど廃棄すべきものをリサイクルできるということで我慢すべきです。