路面電車時代と同じように線路をよぎって渡れるように住民が敷設した踏切が江ノ電の「勝手踏切」なのです。

向こうのアンティークショップに入るには勝手踏切を通るしかありません。

こちらのレストランも勝手踏切を通って入っていくのですが、この春で閉店してしまいました。

勝手踏切を渡って階段上の民家に向かう若い女性たち。 彼女たちにとってはこれも日常的な風景です。 向こうには自転車もありますが、自転車で線路を渡るのは大変ではないでしょうか。

江ノ電の走る鎌倉は海と山が迫る町で、江ノ電の向こうは山があって勝手踏切をふさがれるとどこにも出られなくなる家が多くあります。そのため勝手踏切が残されているのです。また、この地域は土砂崩れや津波のリスクも低くない地域です。災害発生の際に速やかに逃げることができるように勝手踏切を残さざるを得ないという事情もあります。

このようにさまざまな事情があるため残されている勝手踏切ですがやはり危険は危険。2021年には勝手踏切を渡っていた小学3年生の女の子が電車にはねられるという痛ましい事故も起きています。少しでも事故を回避しようと設置されたのがこの青いランプ。電車が近づくと点滅し危険を知らせてくれます。ただ一見さんにはこれが何のライトなのかわかる人は少ないでしょう。

人身事故があったため江ノ電としても対策を練らねばならず、稲村ケ崎駅付近では住民しか通行できないように鍵付きの柵を設置した個所もあります(反対側より撮影)。ただ大部分は従前のまま残されている状態です。

線路の向こうに長く続く階段が見えます。ここを男性が駆け降りてくるところを見たのでわたしもここを少し登ってみました。あまり登りすぎると他人の敷地に入ってしまいそうな気がしたのでほどほどのところで降りることにします。

ここにも自転車がありますね。階段まで持ち上げるのもなかなか大変だと思います。見通しも悪くこの出口には青いライトもないので電車が来ているかどうかは音で判断するしかありません。