立憲民主党が政権を取りたいなら、首班指名で日本維新の会か国民民主党のいずれかの代表に投票すれば政権交代は実現する。そこに踏み込まないのは、単純に連立政権では立憲民主党の存在感が薄れ、政権交代が目的の数合わせはいずれ国民からの支持を得られなくなることを見抜かれているからだ。
日本維新の会は、連立政権の実現は模索してはいるだろうが、しかし今回の衆院選で議席を伸ばすところには至っていない。
自民党が自滅した選挙において、議席を伸ばせない政党は、国民の政権選択選挙から対象として外されたことを意味する。この残酷な結果を受け入れられない馬場伸之日本維新の会代表に対して、党内での馬場代表降ろしの風が吹き荒れており、近く代表選が行われる公算だ。以前から馬場執行部への批判は根強くあり、地域政党から国民政党へと脱却する為には、馬場代表では力不足だとの見方が強かった。
自民党が自滅した今回の選挙で、一気に与党連立に向けて機運を高めたいと考えていたところに、衆院選の敗退は、党への風当たりを強める結果になったことは、馬場代表の思惑が大きく外れたことになる。
衆院選で負けたのに、胸を張って連立政権だの政権交代だのと言ってはいられない。むしろ、比較第一党の自民党に対して精一杯の影響力を残すとすれば、首班指名で石破茂自民党総裁の名前を書かないくらいのことしか出来ないのだ。
一方、四倍の議席数に躍進した国民民主党が、首班指名で玉木雄一郎に固執するのは、背後に大きな国民からの期待感を背負っているからだ。ましてや、選挙中も連立入りではなく与党に対して政策を受け入れるよう求めてきた。