「登竜門」の由来
ここからは「登竜門」の由来を解説します。
中国・黄河の「鯉の滝登り」伝説
「登竜門」は古代中国の黄河に伝わる「鯉の滝登り」伝説が由来とされます。
「竜門」は黄河上流にある竜門山を切り開いてできた急流で、古くから中国では名の知れた川として扱われてきました。
現地ではその「竜門」を登ることのできる鯉は龍になるという言い伝えが残っていたそうです。
現に中国の故事「後漢書-李膺伝」には、人の立身出世の関門を「登竜門」と呼ぶようになったとの記載があります。
その伝説から生まれたのが「登竜門」という言葉です。
この人に認められたら安泰?後漢時代に活躍した「李膺」
紀元前二世紀頃、古代中国に「李膺」という政治家がおりました。
彼は当時、乱れた風潮の中でも正しい政治を守り続ける政治家として知られていました。
人々はそんな李膺を慕い、彼に才能を認められれば立身出世が約束されたも同然という意味で「竜門を登る」と表現していました。
実際に李膺と親しい関係になった人物は「竜門に登った鯉のようなものだ」と例えられたのだとか。
後に唐王朝の時代に入るとこの言葉は科挙(官僚を登用するための試験)に合格することを指すようになり、出世の糸口を意味するようになりました。
転じて、出世するための関門自体を「登竜門」と呼ぶようになったようです。
日本ではその当時の意味がそのまま伝わり、現代でも「登竜門」は広く使用されています。