事件発生、L-8の不可解な漂流劇
1942年8月16日早朝、対潜哨戒任務のため、L-8はサンフランシスコのトレジャー・アイランド海軍基地から離陸した。27歳のコディ中尉と、これが士官初飛行となる35歳のアダムズ少尉の2名が搭乗。爆雷と機関銃を装備し、ファラロン諸島、ポイント・レイズなどを経由してゴールデン・ゲート・ブリッジへ戻る予定だった。天候は快晴、L-8も過去1000回以上の飛行実績があり、最近点検を受けたばかりだった。
離陸後、L-8はファラロン諸島沖で油膜を発見、海面近くまで降下して調査する様子が目撃される。これが、乗組員が搭乗しているL-8の最後の目撃情報となる。その後、L-8は管制との連絡を途絶え、予定航路を無視して東へ進路変更。数時間後、サンフランシスコのオーシャン・ビーチに無人状態で漂着した。
浜辺にいた釣り人が係留を試みるも、L-8は再び浮上。崖に接触しプロペラを破損、爆雷を投下したことでさらに上昇、サンフランシスコ市街地を低空飛行で横断するという異常事態となった。最終的に、デイリー・シティの民家で墜落したL-8は、ゴンドラのドアが開いているにもかかわらず、中には誰もいなかった。