ここではドイツの輸出大国を支えてきた自動車産業が停滞してきた要因を人工知能(AI)のChatGPTの手助けを受けて6項目にまとめた。

1.電動化シフトへの遅れ ドイツの自動車産業、特にフォルクスワーゲンやBMW、ダイムラーなどは長らく内燃機関車を主力としてきたが、近年の気候変動に対する懸念から、世界的に電動車(EV)へのシフトが加速している。特にヨーロッパでは、EUが厳しい排出基準を課し、2035年までに新車の内燃機関車販売を禁止する方向に進んできた。この変化に対し、テスラなどのアメリカ企業や、中国のBYDといった電動車に特化した新興メーカーに先行を許し、ドイツの自動車メーカーは電動化シフトで遅れた。

2.中国市場の変動 ドイツ車の最大の購買先は中国市場だが、中国政府が国内の電動車メーカーを保護する政策を強化してきた。中国の自動車メーカーも技術と品質を急速に向上させているため、ドイツの自動車メーカーにとって中国市場の競争が一段と厳しくなってきている。特に電動車の分野で中国勢が急速に成長していることから、ドイツのメーカーはシェアを失い始めている。

16年間続いたメルケル政権時代、メルケル首相(当時)は12回、ドイツの経済界、特に、自動車メーカーのトップを引き連れて訪中している。中国はドイツにとって最大の貿易相手国だ。例えば、ドイツ車の3分の1が中国で販売されている。2019年、フォルクスワーゲン(VW)は中国で車両の40%近くを販売し、メルセデスベンツは約70万台の乗用車を販売した(「輸出大国ドイツの『対中政策』の行方」2021年11月11日参考)

3.半導体不足とサプライチェーンの問題 世界的な半導体不足もドイツの自動車産業に大きな影響を与えた。多くの部品に半導体が必要とされる現代の自動車において、半導体の供給が滞ることは生産の遅れを招く。加えて、新型コロナウイルスの影響や地政学的リスクにより、部品調達や輸送が不安定になっており、これが生産や販売に悪影響を及ぼしている。