10月25日のカナダ国営CBCのトップニュースには衝撃的タイトルがついています。「India makes it clear it’s not interested in a Western alliance (インドは西側諸国との連携に全く興味なし!)」。この記事はロシアでBRICSが開催されたことを受けたものですが、プーチン氏の両隣に習近平氏とモディ氏が座るというシーンがモディ氏の立場を表しているともされます。

また日本国内で報じられたようにこのBRICSの際に、長年、国境紛争問題があった中国とインドがその紛争解決に向けた展開をすることで合意しました。

習氏とモディ氏がなぜ国境問題で譲歩する気が起きたのでしょうか?モディ氏に限らずインドの政策は非常にわかりにくく他人に迎合しないところもあります。例えばロシアがウクライナを攻め始めた際、各国が制裁に乗り出し、モディ氏もプーチン氏に苦言を呈する一方、ロシアの原油を買い付けることを推し進めました。

もっと古くは東京裁判で反対票を入れたのはインドの判事だけだったという話もありました。このあたりは非常にわかりにくいインド独自の価値基準を持っているともいえます。二枚舌外交というより個別判断主義といったほうが良いのかもしれません。

では日本はインドを政治的に取り込めるのか、といえば相当困難だと考えています。ずいぶん前にこのブログで何度か申し上げたようにインド人が欧州人と同じアーリア人を先祖としており、インドは西側と白人社会に向いています。よってインドの東にある中国や日本とは歴史的結びつきは案外薄い上に地形的に厳しい山地を経ており、文化や経済ルートが作りにくかったのではないかと考えています。

またインドと日本の地政学的位置関係、経済的関係を見た時、中国が経済発展していない時代であればともかく、今やインドが欲しいのはより強力な経済支援であり、規模の経済がある中国の方が組みやすいことは確かであります。