この人物に限らず、成功する予感のある人は行動力がケタ違いなので、「これからこんなことをしようと思っている」ではなく「こうしたらこうなった」という事後報告のみという特徴がある。

リスクを取る

これは言うまでもないが、これから成功する人はリスクを取ることをまったく恐れない。

ここで言うリスクとは必ずしも大金が動く話ではなく、「やってみて成果が出ないかも知れない」という時間的なロスを含む。「あんなこといいな、できたらいいな」とドラえもんの歌の歌詞のような願望を持つも、「しかし、やってできなかったら時間と労力が無駄になる」と恐れて行動しない事が多いのではないだろうか。

しかし、やってみてうまくいかないことを恐れていては極端な話、何一つ新しいことはできない。筆者は毎日楽しく仕事をしているが、その10倍以上はやってみてうまくいかず潰した仕事が背景にある。だが、最初から今の仕事を掴むことができなかった。数十個の事業をやってたまたま残ったのが今やっている仕事であり、失敗した事業は今の仕事に行き着くための「必要経費」という考え方なのだ。リターンを求めるなら、当然リスクを受け入れる必要がある。

よく「成功するには知名度や才能、経験が必要なので、何も持たない者はその挑戦する権利すらない」といった話があるがこれは間違っている。

持たざるものであっても時間と労力は生まれつき資本として与えられているのだから、むしろそれを余すことなく差し出して積極的にリターンを取りに行く気概が必要だろう。逆にすでにある程度、ビジネスの成功を収めている者こそ新規事業には慎重になる。なぜなら彼らはすでに既存ビジネスを持っていて、新規事業でうまくいかなかった時間やエネルギーを既存ビジネスに投下していたら確実なリターンが見込まれるトレードオフにしばられているからだ。

新規で挑戦してダメなら即撤退してまた新規、これを当たるまで高速でテストできるのはむしろ、トレードオフのダメージが小さい持たざるものの特権と言って良い。厳しい事を言うと、持たざるものが時間や手間暇を惜しむようでは話にならない。

成功することしか考えていない