黒坂岳央です。

これまでビジネスを通じて数多くの人と会話をしてきた。たまに「この人は普通とは違う」という予感のする人に会うことがある。自分の眼力は非常に優れている、などとはいわない。だがその感覚があたって大きく花開くのを見ることがある。

完全に独断と偏見だが、取り上げたい。

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話がすべて事後報告

仕事柄、仕事の進路や勉強、人生相談を受けることが多いのだが、ほとんどの場合「こうしようと思うがあなたの意見はどうか?」というこれからの進路について評価や改善提案を求めてくることが多い。これ自体は何も問題はないし、それを聞いてその時自分が言える精一杯のアドバイスをしてきたつもりだ。

このようにほとんどの人がこれからの進路についての相談であるのに対して、成功の予兆を感じさせる人は違う。「自分なりにこのように考えてこうした結果が出ました」と事後報告なのである。とにかく行動力が凄まじく高く、「まず小さくやってみる」という行動をするのだ。

以前、大学を卒業したばかりの20代前半の若い女性と仕事の話になった。彼女の話や経歴を聞いていて非常に優秀で頭が良いが、集団行動や空気を読むことが学生時代からとても苦手という話だった。このような優秀な人は独立してうまく仕事を楽しめれば、伸び伸びと能力を出せると感じたので「世の中には就職以外にもいろんな道があり、独立起業という選択肢もある」ということを伝えた。

次回、再び話をした時、彼女はその後すぐに勤務先をやめて、今は実家に戻って独立してビジネスをスタートさせていた。自分としては何も具体的な話をしておらず、あくまで世にある多様な働き方の選択肢を示しただけだったのだが、彼女のとてつもない行動力に驚かされた。その後ビジネスの売上は順調に拡大しており、実家で生活をして資金の枯渇もないようだ。「あの時、独立の話をしてくれたおかげで今とても満足している」と嬉しそうにお礼を言ってもらえた。