聖骸布は芸術作品?
モラエス氏は、聖骸布がイエスの遺体を包んだ布である可能性は非常に低いと考えている。彼は聖骸布が偽造だと断定することは避けているが、その性質は歴史的な遺物というよりも芸術作品に近いと考えている。「議論は本物だと考える側と偽造だと考える側に分かれるが、私は別の考え方に傾いている。それは、聖骸布はキリスト教美術の作品であり、意図したメッセージを伝えることに非常に成功した、非言語的なイコン作品であるという考え方だ」とモラエス氏は述べている。
聖骸布は、縦約4.4メートル、横約1.1メートルの麻布で、男性の前面と背面の像が薄く浮かび上がっている。多くの信者は、これが磔刑後のイエスの遺体を包んだ布であり、血痕が写真のように転写されたものだと信じている。1970年代には、顕微鏡学者ウォルター・マクローン氏が聖骸布を分析し、赤と朱色の顔料で描かれたものであり、血液は検出されなかったと結論づけた。しかし、この分析結果には異論もある。1980年代の放射性炭素年代測定では、聖骸布は13~14世紀のものとされたが、この結果についても、サンプルが後の修理部分から採取された、あるいは何らかの形で汚染された可能性が指摘されている。最近では、リベラート・デ・カロ教授が、聖骸布は2000年前、つまりキリストの時代にまで遡るとする研究結果を発表し、1980年代の研究結果を覆した。バチカンも聖骸布の真偽について、時代によって異なる見解を示してきた。
今後の研究で新たな事実が明らかになるのだろうか。 もしかすると聖骸布は謎めいたままのほうがよいのかもしれない。
文=深森慎太郎
提供元・TOCANA
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