ANA「個人の評価は他のCAに公開しておりません」

 ANA現役CAは「個人の評価が他のCAに公開され、プレッシャーに感じているCAもいる」と証言する。社内システム上に掲載され、CAがiPadから閲覧可能な「CREW INFORMATION / ALLOCATION(フライトメンバー表)」には、その便に乗務するCA一人ひとりの人事資格、区分資格、マネジメント資格(習熟コード)、担当クラス資格、社員番号、氏名などが記載されている。

「ANAのCAでは上司が部下を評価する制度があり、その評価によって賃金が上下するのに加え、個人の評価が他のCAにも公開され、これを会社による“見せしめ”だと感じるCAもいます。なので個人では怖くて会社に意見を言ったりすることができません」(ANA関係者/10月13日付当サイト記事より)

 これに対しANAは以下の見解を示す。

「個人の評価は他のCAに公開しておりません。公開しているのは人事資格です」

 JCUは次の見解を示す。

「ANAは人事資格だけでなく、区分資格など4種類もの格付けが他の客室乗務員にも見られる仕組みになっています。ANAは、評価の点数などは公表していないと言いたいのでしょうけど、個人個人の評価を伴う資格(格付け)をすべてクルーメンバー表で開示し、ストレスやプレッシャーを与えていることは問題だと思っています。

 ちなみにJALでは、サービス上必要不可欠な1種類のみの資格開示にしており、社員番号も開示しないため、ANAのように『あの人はベテランなのに低い資格なので、何か問題あった人か休職していた人か?』など詮索されることもありません。

 私たちJCUは、これらの問題についてANAと真摯に話し合うため、団体交渉を申し入れました。ANAが反論したいことがあれば、そうした場で直接、私たちと話し合いを行うべきではないでしょうか」