もちろん、帰国生入試は一般の入試と受験科目が違うため、準備はそれなりに大変ですが、ほとんどが2月1日の一発勝負で、最大でも3校くらいしか受験できない一般生から見たら、帰国生は非常に恵まれているのです。
大学受験、帰国生は英語で「無双」できる受験のなかで最も厳しい戦いになるのが大学受験ですが、この大学受験ではどうでしょうか?
帰国生向けの大学入試もありますが、一般入試で見てみましょう。
一般入試の場合、同じ問題で受験して特別枠もありませんから、帰国生だから有利という制度上の優遇はありません。
しかし実際、圧倒的に有利です。私立文系の場合、英語・国語・社会の3科目入試が多いですが、この3科目のなかでも英語の配点が高いのが普通です。そして、この英語の問題で、帰国生は無双できるのです。
筆者も、中学受験の帰国生入試で出題される英語の入試問題をいくつも解いたことがあります。非帰国生ながらオックスフォード大学に留学しMBAを取得した私ですが、恥ずかしながら、中学受験の帰国生入試は、英語だけで勝負するとあちこちの中学で不合格になりそうです。
そして、そうした中学入試の帰国生入試の英語を解いた後で、大学入試の英語の試験問題を見ると、かなり易しいのです。つまり、帰国生にとって大学入試の英語の問題はかなり楽勝だと思います。
数学0点でも東大文系に合格できる!?もう1つの例を考えてみましょう。東大入試です。
国公立大学を受験する生徒たちが受ける共通テストで、英語は95%・その他の科目は90%取れたとします。そして、二次試験(各大学ごとに出題される試験)で、東京大学の文系を受験するとします。
東大文系の受験生の場合、英語120点、国語120点、数学80点、社会(2科目)120点の点数配分です。
多くの受験生は、50%から55%くらいの得点で争っていますので、国語120点中60点、社会120点中60点と仮定しましょう。そして、苦手な受験生も多い数学では、極端ですが、0点としましょう。