英検の会場に行くと、小学生にしか見えないお子さんが大勢入っていくので驚きます。

英検のリスニング試験では選択肢の読み上げがあり、明らかに誤りの選択肢もあるのですが、それを大真面目に読み上げる音声が流れてくると、嘘か本当か、小学生のお子さんたちがどっと笑うといった光景も見られるといいます。

受験英語を一生懸命学んできた大学生が、必死の思いで受験する英検準1級を、海外で学んだ小学生キッズたちが笑いながら合格していくというのは、日本における英語教育の実情を実によく表しています。

中学受験、帰国生は一般生の「2倍のチャンス」が与えられている

海外で学び、そのまま英米の大学に進学する子もいますが、途中で日本に戻る子もいます。首都圏に戻る場合は、中学受験のタイミングに合わせるケースも多くあります。

中学受験は、東京では、2月2日や2月3日以降に受験日のある学校もありますが、一般に本命とされる学校の受験日は2月1日に集中しています。そのため、一般生が普通に中学受験をする場合、3校くらいしか、受験のチャンスはありません。

図表2を見ていただけると実感できると思います。

図表2※ カッコ内の数字は、大手進学塾の四谷大塚が発表している合格可能性80%の偏差値

一方、すべての中学校に帰国生入試が設けられている訳ではありませんが、帰国生入試は12月から1月にかけてバラバラに受験日が設定されています。そのため、帰国生入試は受験のチャンスが多いのです。

受験する学校のレベルにもよりますが、3校くらいは受験できるでしょう。それだけでなく、帰国生は一般入試も受けることができます。つまり、チャンスは2倍あるといっていいでしょう。図3をご覧ください。

また、帰国生入試と一般入試では受験科目が違うので一概に比べられませんが、帰国生入試の方が一般入試より少しハードルが低いと言われています。

図表3 帰国生入試を実施している学校の例と、それぞれの偏差値の目安※(70)等の数字は、大手進学塾の四谷大塚が発表している合格可能性80%の偏差値※(帰65)等の数字は、四谷大塚が発表している帰国生入試での合格可能性80%の偏差値※ △は、帰国生入試が一般入試と同日に実施される中学校