このように私たちの多くは「ウマいけど体に悪い食べ物」を優先して、「マズいけど体にいい食べ物」を避ける傾向があります。
その理由は、「美味しさ」という目先の利益をガマンして「健康」という長期的な利益を優先するには「自制心」が必要になるからです。
物事を長い目で捉えて計画的に行動することは、私たちの多くにとって常に難しいことです。
スナック菓子やファストフードなら食べてすぐに「美味しさ」という利益が得られますが、青汁やゴーヤは食べるのがつらい上に、「健康」という利益が現れるにはある程度の時間を要します。
それでも世の中には、長期的な利益を優先して、「美味しくはないけど健康にいい食べ物」を積極的に選べる人たちがいます。
ではこうした人たちと、「健康によくないけど美味しい食べ物」を選んでしまう人たちでは何がどう違うのでしょうか?
そこで研究チームは今回、長期的な健康を重視して食べ物を選べる人の脳がどのように活動しているのかを調べてみました。
マズいけど健康食を選べる人は「ある脳領域」が活発だった!
本調査では食べ物の選択において、「美味しさ」よりも「健康」を重視するときの被験者の脳活動を測定しています。
研究のために集められた被験者はまず、提示された一連の食べ物を「美味しさ」と「健康的かどうか」で評価し、「健康によくないけど美味しい食べ物」と「美味しくはないけど健康にいい食べ物」に分類しました。
例えば、ケーキなら前者に、ブロッコリーなら後者にというように。
そして脳活動の測定中に、画面にランダムに表示されるこれら2種類の食べ物のうち、どちらか食べたい方を選択してもらいました。
ここで被験者が「美味しくはないけど健康にいい食べ物」を選んだ場合、美味しさよりも長期的な健康を重視したことに相当します。