また、家庭用洗剤や薄めた漂白剤溶液で毎週電子レンジを消毒することも大切です。
さらに、加熱中に(ラップなどで)食品を覆うなら、細菌の拡散を抑えることができます」
一方で、研究室にあった実験室用の電子レンジでは、状況が大きく異なっていました。
これらの電子レンジでは食品を扱わないので、食品関連の細菌はいませんでした。
しかし、デイノコッカス属や、ヒメノバクアー属など放射線に強い細菌が含まれており、その微生物叢はソーラーパネル上の微生物叢に似ていました。
研究室の電子レンジでは、絶え間ない熱、電磁波、乾燥により、それらに耐性のある細菌だけが生き残ったのです。
そして研究チームは、このような選択圧が実験用電子レンジ内部の細菌たちの耐性を強めたと考えています。
今回の研究では、食品を扱う一般的な電子レンジでも、研究室で利用する特殊な電子レンジでも、内部には多くの細菌たちが生き残っていると分かりました。
そのため、一般の人々であれ、研究室の職員であれ、電子レンジを定期的に掃除・消毒することは大切です。
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参考文献
Your Microwave Is Harboring Radiation-Resistant Microbes
https://www.technologynetworks.com/immunology/news/your-microwave-is-harboring-radiation-resistant-microbes-389544
元論文
The microwave bacteriome: biodiversity of domestic and laboratory microwave ovens
https://doi.org/10.3389/fmicb.2024.1395751
ライター
大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。