皆さんは電子レンジの掃除をちゃんとしていますか?
「ちょっとくらい汚れていても、毎回加熱されるし大丈夫」なんて考えていないでしょうか?
確かに電子レンジは、マイクロ波による加熱を行うので、使用する度に内部に潜む細菌も殺菌されているような印象を抱きがちです。
しかし、スペインのバレンシア大学(University of Valencia)に所属するマヌエル・ポルカー氏ら研究チームは、電子レンジの中には依然として多くの細菌が存在すると報告しました。
たとえ電子レンジであっても、こまめな掃除と除菌を行わないと、細菌まみれになってしまうというのです。
研究の詳細は、2024年8月8日付の学術誌『Frontiers in Microbiology』に掲載されました。
目次
- 電子レンジの掃除はしている?
- 電子レンジの内部には細菌たちが生き残っている!定期的な掃除が大切!
電子レンジの掃除はしている?
厚生労働省の資料(PDF)によると、腸管出血性大腸菌(O157など)は、食品を75℃で1分間以上加熱すれば死滅すると説明されています。
そのため電子レンジの加熱に用いられるマイクロ波(電波の一種)を照射することで、細菌を殺すことは確かに可能です。
このような「電子レンジで細菌を殺せる」という認識ゆえ、電子レンジの掃除を怠る人は少なくありません。
いつも食品を扱うキッチンはなるべく清潔に保つのに対し、電子レンジの中は「いつも加熱されているから別にいいか」と掃除していない人は多いでしょう。
しかし、ここには落とし穴があります。
厚生労働省の資料が述べているのは「特定の菌」に限ったことであり、さらに「食品をムラなく加熱する」という前提があります。
「電子レンジを使っているなら、すべての菌は死滅する」という考えは間違いなのです。