171cmと決して大柄なタイプではないが強引なまでの突破力を持ち、また頭でゴールネットを揺らすシーンも多い。もちろん中盤での経験も豊富なことから出し手としても能力を発揮。前線で決定機演出にも一役買っている。J1で出場機会を得た2021シーズンは、途中出場が多いながらも12試合で2ゴールをマーク。国内最上位カテゴリーにおいて、限られた時間であっても結果を残せることはすでに証明している。今季のC大阪は、FWレオ・セアラが得点王争いを演じているもののチームとしての得点力は高いとは言い難く、リーグで4番目に少ない数字となっており来季に向けて改善点の1つと言えよう。中島の帰還は、そんな課題をクリアする要素にもなり得るのではないだろうか。

FC琉球 写真:Getty Images

岡澤昂星(FC琉球)

J3のFC琉球で武者修行中のMF岡澤昂星。昨季は途中加入にも関わらず即スタメンに定着し18試合に出場した。今季もチームからの信頼は変わらず、ここまで33試合とほぼ全試合に出場。J2昇格プレーオフ圏から勝ち点3差の13位につけるチームで主力として存在感を放っている。

豊富な運動量を攻守で発揮。常にポジションを取り直してビルドアップの出口を作り、少ないタッチ数でパスを前線に送っては自身もそのまま攻撃に出ていくなどゲームを通して質の高いプレーを披露している。また、決定機を含めパスカットなどで相手のチャンスを潰す場面も多く、危機察知能力の高さも見せる。C大阪で比較対象となる選手では、今季の新戦力であり守備範囲の広さとセットプレーの場面では得点の期待も高いMF田中駿汰や、得点感覚にも優れた頼れるベテランMF奥埜博亮といずれも強力なライバルが揃う。岡澤にとっては、チームへ帰還することで出場機会を思うように得られない懸念ももちろんある。しかし、まだ21歳と若いことに加え、J3で見せる安定したプレーがJ1でどこまで通用するのかなど、楽しみが多い選手であることも事実。C大阪への帰還により、熾烈なポジション争いの中でさらなる成長が見込めることから、来季は所属元でピッチに立つ姿を見てみたい。


西川潤 写真:Getty Images

西川潤(いわきFC)