ーーーこの話を聞いて、話すことに苦手意識を抱いていて自信がない人がいることが印象的でした。

やはり、話しているときに自分が批判されないか、特に話す内容についてどのように評価されるかという点が気になる人は多い印象です。だからこそ、私たちはそういった不安が一切ない安全な環境を確保しています。

話せないことを否定するのではなく、常に良い点と改善点、つまり「GOOD」と「MORE」をもとに、どうしたら改善できるかという前向きな話をお伝えしています。

苦手意識を払拭するために

ーーーどのくらいの期間で、話すことに対する苦手意識は少なくなりますか?

私たちは、初期の状態に応じて、通常3カ月から6カ月の期間をみていただくようお願いしています。これまでに身に付いている話し方の癖を改善し、わかりやすい話し方を定着させるためにはこのくらいの時間が必要だと感じています。

ーーー何度も話す練習を重ねることで、苦手意識は払拭されるのでしょうか。

もちろん、練習すること自体は重要ですが、必ずしも「話す回数が増えれば増えるほど上達する」というわけではないと思います。最近では、学習指導要領の改定にともない、「生きる力」が強調されるなかで、義務教育の場でも発表やプレゼンテーションの機会が増えています。

小中高生がこれらの場面で話す経験を積むことが増えた一方で、それが必ずしも「話す力の向上」や「自信の獲得」に直結しているわけではありません。話す力を本当に伸ばすためには、目指すべき理想の話し方や、どのように努力すれば良いのか、また自分が今どのレベルにいるのかをしっかりと理解することが大切です。

私たちは漠然と「話すのが得意」「苦手」と感じるのではなく、具体的に「この部分ができるから得意だ」「この部分がまだできていないから不安に感じる」と説明できるようなアプローチを目指しています。

話す力をつけて「すべての人生にスポットライトを」