第二の要素は未来の自分の人格形成です。
ここでユーザーはまず、人口統計学的な情報(名前・年齢・性別・学歴・職業・居住地・所得・家族構成など)のほか、現在の生活状況や将来の目標、それからMBTIのような性格診断のための一連の質問に回答し、データを提供します。
Future Youはユーザーから提供されたデータをもとに、将来的に体験しうるキャリアや私生活のライフイベントなど、未来の自分になるまでのバックストーリーを形成します。
そして第三の要素は未来の自分との対話システムの生成です。
ここでは先ほど形成された未来の自分の人格データをOpenAI社の人工知能チャットボット「ChatGPT」に取り込みます。
ChatGPTには人々が自らの私生活やキャリア、人間関係といった人生経験について話している膨大な量の会話データセットをテキストベースで学習させます。
これにより、Future Youはユーザーの未来の人格にもとづいた質問への回答を柔軟に行えるようになるのです。
例えば、未来の自分が自らのキャリアのハイライトについて答えてくれたり、今悩んでいることへのアドバイスをくれたりします。
実例を見てみましょう。
こちらは「今の自分」がボストン在住で高校の生物学教師を目指しているジェニーという女性、「未来の自分」がボストン在住で生物学教師を定年退職したジェニーとなっています。
Future Youのチャット試験では、このような対話が展開されています。