「未来の自分はどうなっているんだろう?」

ふと、そんな思いが脳裏をよぎることは誰しもあるでしょう。

そうした願いを叶えてくれるチャットボットが新たに誕生したようです。

米マサチューセッツ工科大学(MIT)はこのほど、60〜70歳になった未来の自分と対話できるAIシステム「Future You」を開発。

Future YouはLINEのような文章ベースのやりとりで進行し、未来の自分に質問を投げかけると、人生で楽しかった出来事や仕事から最もやりがいを感じた瞬間などを柔軟に答えてくれるという。

さらにそれだけでなく、Future Youを使用したユーザーには不安の低下や意欲の上昇といったメンタルヘルスの改善が見られたのです。

研究の詳細は2024年10月1日付でプレプリントサーバー『arXiv』に公開されています。

目次

  • Future Youで「未来の自分」と対話できる!
  • 未来の自分と話すことで「メンタルヘルスが改善」

Future Youで「未来の自分」と対話できる!

MITメディアラボの研究チームは、若者が未来の自分とのつながりを感じ、将来に向けてより良い選択ができるよう導くことを目的に「Future You」の開発をスタートしました。

Future Youの第一の要素は「StyleClip」というAIを使った画像生成です。

ここではユーザーが自分の顔写真をアップロードすると、AIシステムが年齢進行モデルを使い、自動的に60〜70歳になったときの外見を予想して、しわや白髪を追加してくれます。

これにより、まったく別人の年老いた顔画像を使うのではなく、自らの顔をベースとした「未来の自分」を見ることができます。

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「StyleClip」で未来の自分の顔画像を生成 / Credit: MIT – Have a conversation with your future self(youtube, 2024)