現代と比べると「我慢が美徳」とされてきた時代も。「鎮痛剤を飲むと、身体に悪いと叱られることもありました。リテラシーの低い親に育てられた子どもは知らないことが多く、次の世代にもそれが引き継がれてしまう。だからこそ、親御さんにはしっかりと知識をもってもらう必要があります」と話しました。

女性の7割が女性ホルモンについて「知識がない」と回答

親がリテラシーをもつことの重要性について話してもらいましたが、長年、上の世代の人たちが「これが普通だ」と思い込んできた考えを変えるのは、簡単なことではありません。そこで、女性の健康推進プロジェクトでは、若い世代に対して「自分の身体はこうやって変化していくものだから、今できることは何か? 将来のために何をすべきか?」と、問題提起しているといいます。

さらに、プレコンセプションケア、つまり妊娠前の健康管理の重要性にも言及。「痩せていることが美しいとされる風潮のなかで、朝食を抜いたり、過度なダイエットに走ったりする人が多くいます。過度な痩せすぎは骨に負荷がかからず、結果として骨がもろくなることもあるので、本当に痩せていることがいいのかを考え、外見だけでなく身体の内側から健康であることが大切であることを若い世代にも伝えていきたいです」と話しました。

「女性のヘルスリテラシー調査」によると、女性ホルモンについて「知識がない」と回答した女性は全体の7割(※)。先ほど西山さんが指摘したリテラシーの低さは、数字にも表れているようです。

リテラシーを向上するためには「知ること、気づくこと、相談すること、そして対処すること」が重要だそう。しかし、「もしかして……」と気づいても、相談や対処など、次のステップに進むことが難しいと話します。

次のステップにつなげるためには、「企業でのセミナーを開催するときは、参加したインセンティブとして弊社の製品をプレゼントすることもあります。それを使ってもらうことで、対処にもつながるのがポイントです」と、さまざまな工夫を凝らした取り組みを行っているといいます。