■「盗んだみたいな書き方」という声も…
ポスト本文にもあるように、この「返してください」という7文字に違和感を覚えた読者も少なくないだろう。実際、件のポストは投稿からわずか数日で5,000件以上ものリポストを記録するほど話題に。
Xユーザーからは「じゃあ『お金も返してください』ってなるよね」「こっちは買ったつもりなのに、向こうは貸したつもりだったのか…」「『還しませんか?』とかなら良かったと思う」「こっちが盗んだみたいな書き方で嫌だなぁ」など、疑問の声が多数寄せられていた。
確認したところ、こちらの「CO:RE」というプロジェクトは、2021年3月より実施しているものと判明。つまり、3年半もの時を経て「疑問視され出した」というワケである。
そこで今回は、同プロジェクトを展開する「エドウイン」に本件に関する取材を実施することに。すると、長い歴史を持つ「同社ならでは」と言える、予想外な要因が明らかになったのだ。
前出の「CO:RE」は「Cotton Recycle」の略で、自社縫製工場で排出される裁断くず(はぎれ)と、ユーザーから回収させてもらったジーンズを、再びデニム生地として生まれ変わらせる取り組み。
実施の背景について、エドウイン担当者は「私たちの仕事は、質の良いジーンズを作り届けることだけではなく、ジーンズという製品を通して、これからの豊かさを考えることでもあります」「この考えに基づき、国内に工場を持つジーンズメーカーとして、できるだけゴミを出さず、出てしまったものは自分たちでリサイクルし、再びジーンズへ再生させる活動を始めました」と説明している。
続いては、今回大きな物議を醸した「あなたのジーンズ、返してください。」というフレーズの詳細について尋ねてみる。
すると、担当者は「1970年代の当社広告では『すいません、返してください。』というコピーを使用しておりました」と前置き。
これは、厳しい「エドウイン基準」の品質検査を経た上で商品を販売していることから、「もし、お買い上げになった商品に不良品があればお取り換えします」という、自社製品のクオリティの高さに対する自信が込められたキャッチコピーである。
これらの背景を踏まえ、「このコピーを参考にし、ジーンズ回収の取り組みを広める意図で『あなたのジーンズ、返してください。』というコピーを作成いたしました」と、経緯を説明してくれたのだ。