何かをバカにできる言説が好きで、一日一膳ならぬ、一日いちアングリーが習慣になっている。怒りの経済圏が出来上がっているレイジエコノミー。特に韓国に関する話題は顕著で、韓国をバカにできる話題にみな飛び付く。特に高齢者。また、メディアの人間をバカにしたいだけで、メディア内で尽力している者を無視する。そこに現実を先に進める意思はどこにもない。

ネット発の言論では、「上海電力で橋下徹ガー」とか、「アメリカ大統領選挙の不正の証拠があるサーバー押収のためにフランクフルトで銃撃戦!」とか、「能登半島地震の支援を台湾が申し出たが岸田政権は断った!」とか、全部嘘だったわけで。

政府に「電波オークションしろ!」と言うだけで、自分は何かしたんでしょうか?

メディアの悪い点を拡散?メディアはインプレ稼ぎのプロですよ。そういう批判の脊髄反射すらインプレ稼ぎに利用してるんですよ。タイトル詐欺とか見てればわかるでしょ?

そんなものよりも、私たちは、もっと素晴らしい事を言う者の言説、現実に根差して発信する者、過去に学ぶ知見を提供する者、愚直に具体的な事実関係を把握しようと努める者の情報を、拡散してきただろうか?

マスメディアの人間、著作を出している人間、SNS上の一般人を問わず、そうした人らの発信を拡散してきたつもりでしたが、まだまだ足りないなと痛感しています。

いや、もともとネットというのはそういうモノだというのはその通りです。まともな労力の多くはリアルの仕事に割かれているし、ネットに流される情報や人物像なんてほんの一部だったり物事の表層・辺縁のものに過ぎないことがほとんどでしょう。

しかし、せめて「ちゃんとやってる人」は報われて欲しい。

現地調査や文献調査をして穏当な理解を発信している(た)人でも、無視された結果、闇落ちして結局は攻撃的になっている人とかを見るのは、本当に悲しい。

メディアにお灸を据える?