―――仕事において、ごきげんである状態を周りに見せることには、どういうメリットがあると考えますか。

本当に嫌なことにはちゃんとアピールして感情を出してもよいと思いますけどね。

僕自身は「機嫌が不安定なときがない」とか、「どんな仕事でもある程度冷静に判断できる」とか「感情に左右されて判断することはない」っていう評価がもらえたことで、大事な仕事を任されたり、僕が本当に困ったときやどうしても納得がいかないときにそれを説明すれば、「あの佐久間が言うんだったらちゃんと動こうよ」と、ちゃんと対応してもらえたということがありました。

毎日愚痴を言ってる人の愚痴って、いざと言うときに真剣に聞いてもらえないリスクがある。“ごきげん”な状態を見せていたことは、最終的に周囲からの信頼となって返ってきましたね。不機嫌な様子を見せても何のメリットもないっていうことだと思いますよ。少なくとも会社ではメリットはないでしょう。

―――本の中では、“ネガティブ仕事術”という言葉も使われていらっしゃいました。ネガティブの大切さについてはどう考えていますか?

“ネガティブさ”っていうのはある種の痛みみたいなものだと思うので。あまり振り回されずに、「ネガティブさがあるから努力できたり、危険を回避できたりするんだよ」っていうぐらいのもんだと思って付き合うことが大事だなと思っています。

ネガティブさが出てきたら、「出てきた、出てきた。ってことは、ここら辺でそろそろ適切な対策しなきゃいけないのかな」って思うぐらいの付き合い方が良いかなと。

ネガティブさにしてもポジティブさにしても、振り回されると自分がなくなってしまうから。それを俯瞰で見てコントロールする術を持つことは大事だなと思います。

例えば『トークサバイバー!』は、ネガティブさがなかったら「面白いからいいでしょ」というノリの番組になって、配信のプラットフォームに合わせた作り方とかしなかった可能性もあったと思うし。