また、維新自身が迷走しているのもたしかだ。
そんななかで、維新のなかで「青い正論」を個性的に言い続けた足立康史前議員が東京15区補選での運動に問題があるのでないかと内部告発したのを反党行為といわれ、東京の維新の一部の圧力もあって排除され、しかし、せめて対立候補は立てないとみられていたのに、刺客を立てられた。
そこで、不意を突かれた足立氏は党内で改革を呼びかけることを諦めざるを得なくなり、立候補断念した。
そして、今回、維新に刺客を立てられた公明党の4つの選挙区で、主としてネット上であるが、公明党候補にエールを送り、また、一部の自民党候補にもそれより控えめだが同様だ。
どうして公明党なのかといえば、大阪の四つの小選挙区から出馬している、3区の佐藤茂樹氏、5区の国重徹氏、6区の伊佐進一、16区の山本香苗氏が公明党でもことさら質のよい候補者であるということがある。
3区の佐藤茂樹氏は防衛問題について、平和主義の基礎に立ちつつも、実質を重んじた議論ができる政治家で小野寺五典氏の盟友として知られる。伊佐進一氏は厚生労働副大臣もつとめた福祉のプロであるし、東京大学航空宇宙学科を卒業した元文部科学官僚だ。山本香苗氏は元外交官で引退する北側前副代表の地盤を引き継ぐ。北側氏は憲法や皇位継承問題で公明党の最高責任者を務めてきたが、それを補佐してきたのが弁護士の国重徹氏で北側氏と彼とがいなくなるとこれらの問題が進まなくなりそうだ。
国重氏のことは、かねてから足立康史氏も高く評価してきたらしく、YouTubeで維新の問題点を語るのに、かれを対談の相手に選んで、「大阪は維新に騙されている」という動画が本日の朝公開された。
そのなかで、取り上げられているのは、ひとつは、政治改革で、維新が企業団体献金をもらわないと言ってきたのが、かなり抜け穴だらけであることが解き明かされている。
また、福祉については、高齢者の窓口負担三割という維新の公約が、音喜多政調会長の軽率な発言から出たものであり、また、それを進めたのが、医療改革タスクフォースのヘッドを務めた梅村聡氏(今回の総選挙で衆議院に転出し国重氏の対立候補)が事務局長だった足立氏の忠告を無視して突っ走ったことが赤裸々に語られている。