これらの参加者は、学術的な調査データの収集を支援するオンラインプラットフォーム「Prolific」を通じて集められ、参加者には8ポンド(約1500円)の報酬が支払われています。
そして参加者は専用のアンケート用紙によって、権威主義や自己の魅力評価、拒絶への感受性、そしてミソジニーの程度を測定する一連の質問に回答しました。
その結果、ミソジニー性向と最も強く関連していたのは「権威主義」でした。
権威主義的な性格が強い参加者ほど、女性蔑視や性差別の特徴を示しやすかったのです。
これは権威主義者が厳格な社会的階層や性別ごとの役割に関する古い考えに固執していることが原因と見られます。
また一方で、権威主義ほど強くはないですが、拒絶されることへの感受性が強い男性も女性に対する否定的な態度を持ちやすいことが示唆されました。
これは例えば、女性への誘いを断られたショックが女性への敵意や憎悪に変わってしまうことと関連していると推測されます。
しかし最も注目すべき発見は、自己の魅力評価と女性蔑視との興味深い関連性でした。
自己評価が両極端な男性ほど、女性に敵意を抱きやすい
自己の魅力評価はその名の通り、自分の性格や行動特性をどれだけ魅力的であるか、肯定的に認識しているかを評価するものです。
調査では、参加者473名の自己の魅力評価レベルを低い方から高い順にグラフの横軸に並べ、縦軸にはミソジニー性向のレベルを低い方から高い順に並べて、両者の関連性を見ました。
つまり興味深いことにミソジニー性向の強い男性は、自分の魅力を最も過大評価しているグループと最も過小評価しているグループの両極端な2つだったのです。
わかりやすく言えば、「俺は最高にイケてる!」とか「世界は自分を中心に回っている」というような自分に過度な自信を持っているタイプと、「僕は何をやってもダメダメだ」とか「自分は人生のサブキャラでしかない」と自らを過度に過小評価してしまうようなタイプの男性が女性に対して敵意や憎悪を抱きやすくなっていました。