個人としては貯金を考えたこともすることもなかったですし、昔はぜんぶ自分への投資に使っていて、たくさん本を買ったりしていましたね」

ちいさく試すをやってみる

成長したいビジネスパーソンに向けたアドバイスもいただきました。

「ぜひ『ちいさく試す』ことをやってみてほしいと思っています。

ちょっとだけリスクがあるけど、そんな大してリスクのないことっていろいろありますよね。

小さなことでも、『0→1』を作る経験が大切だと思います。

22歳で会社員になったとき、副業ができなかったのもあって、仲間と大阪で社会人サッカーリーグを作ったことがあります。

参加費をひとチーム年間5万円ずつで10チームくらいに参加してもらって、運営していました。グラウンドを借りて審判などの運営も、ぜんぶ自分たちでやってみたんです。

大して利益は残らなくても、『0から1をつくる』という経験から多くのことが学べました。

『日程を事前に送らないといけない』『ここまで気をつけないといけない』とか、いろいろな学びがありました。

そもそも経営者が会社員より成長するのは、会社を作りながらすべてのロール(役割)を経験するからです。

会社を作ると、急に経理部長兼営業部長兼人事部長でもある状態になるので、自分の会社ですべてのロールを経験すると、会社員としてのいろんな視点が得られます。

その結果、担当の人の気持ちがわかりますし、役割や仕事に対する解像度がめっちゃ高まります。

たとえば、営業だけしていると、受注するために何でもありになってしまいますが、他の職種の視点を理解すると、なぜそれが良くないかが見えてくるんです。

だから、『起業したい・したくない』に関わらず、個人事業でビジネスを1つやるのは本当に成長できる方法で、ビジネスパーソンとして成長したい人すべての人におすすめします」

後編では、上場企業で1年半でマネージャーになり、退職。その後、起業からさまざまな事業に挑戦して得た「アキッパ」での成功までの道筋と金谷氏の未来の話もお聞きしています。