この変化は、森林破壊だけでなく、海の中のサンゴ礁の消滅、プランクトンの危機へと繋がっていき、結果としてすべての生物に壊滅的な影響を及ぼしました。

ファーンズワース氏も、「温暖化が進み、植物が死滅。そしてエルニーニョが強くなり、世界の気温がさらに上昇。そうすると再び異常気象が発生。生物はますます死滅していきます」と、負の連鎖・サイクルが生じた可能性を指摘しています。

地球規模の温暖化、干ばつ、火災、そこからの大規模な洪水。あらゆる場所で問題が生じたため、多くの種はこの「気候のジェットコースター」から逃れる場所を見いだせず、絶滅してしまったと考えられます。

この新しい仮説は、単なる「火山噴火による温暖化」説よりも、大量絶滅の理由として納得のいくものかもしれません。

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参考文献

Mega El Niño Events Caused End-Permian Mass Extinction, Researchers Suggest
https://www.sci.news/paleontology/end-permian-mega-el-nino-events-13262.html

元論文

Mega El Niño instigated the end-Permian mass extinction
https://doi.org/10.1126/science.ado2030

ライター

大倉康弘: 得意なジャンルはテクノロジー系。機械構造・生物構造・社会構造など構造を把握するのが好き。科学的で不思議なおもちゃにも目がない。趣味は読書で、読み始めたら朝になってるタイプ。

編集者

ナゾロジー 編集部