人手不足が顕著

 内部からみて、自衛隊という組織として問題点や改善すべき点は何か。

「人手不足は顕著です。私は班長として16人の部下を見ていましたが、本来は4人くらいを1人の班長がみるというのが一般的です。これだと、一人ひとりの隊員とじっくりと向き合って育てていくというのは難しくなってきます」(ティラノ伍長さん)

「人が足りないといっている割には、足切り制度が残っている点は疑問を感じます。たとえば私がいたころは、陸士長は2任期しかなれず、その間に陸曹に昇進できなければ退職して他に再就職しなければなりませんでした。私も、このまま上のほうの階層に順当に昇進していける自信がなかったことも自衛官をやめた理由の一つですが、そのあたりの制度はもう少し柔軟にしてもよいのではないでしょうか」(主夫男・太郎さん/10月8日付当サイト記事より)

 2024年3月末の自衛隊の定員は陸上自衛隊が15万245人、海上自衛隊が4万5414人、航空自衛隊が4万6976人、統合幕僚監部などが4519人。充足率は90.4%で現員は22万3511人に上る。23年度の自衛官などの採用数は、計画数1万9598人に対し実績は9959人(前年度比約1800人減)。陸・海・空曹自衛官を養成する「一般曹候補生」の採用数は4969人(計画数7230人)。教育を経て3カ月後に2等陸・海・空士(任期制自衛官)に任官する「自衛官候補生」は3221人(計画数1万628人)となっている。

 最後に、自衛官という職業の魅力についてティラノ伍長さんに聞いた。

「私は16年の熊本地震の際に現地に派遣されて生活支援に従事しましたが、やはり自分の仕事が国の役に立っているということをダイレクトに実感できるというのは、自衛官としてやりがいを感じられるところです」

(文=Business Journal編集部、協力=ティラノ伍長/フリープロレスラー、元陸上自衛隊)

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?